今週、いくつかの商談をしていて思ったことがある。言葉を探している会社が多い。
良い商品はある。効果を感じている人もいる。データもある。でも、「それって何?」と聞かれたときに、一言で返せる言葉がない。そこで止まっている。
よくあるのは、「生活者が感じている不に名前をつけたい」という話だ。たとえば「男性更年期」とか「ミドル脂臭」のように、それまで漠然としていた悩みに名前がつくと、「自分のことかも」と気にしてもらえるようになる。商品の機能を説明するより、その不に名前がつくほうが、伝わりやすいと思う。
AIに聞いてみたけれど
最近はAIに何でも聞ける時代になった。私も毎日のように使っている。調べものも資料づくりも壁打ちも、本当に頼りになる。
でも、この「伝わる一言を見つける」という仕事だけは、AIがあまり得意じゃないなと感じている。お願いすると、もっともらしい候補がたくさん出てくる。でも、どれも「ありそうだけど、刺さらない」。正しい方向は向いていそうなのに、なぜか心が動かない。
たぶん、言葉って論理だけでは生まれないものなんだと思う。最後の一言は(まだ)人から生まれるものだと感じます。じゃあどうやったら生まれるのか。
発酵みたいに、時間をかけていい
この一言を見つけるのに、焦る必要はないと思っている。実際、クライアントの多くも「時間をかけてでも、ちゃんと見つけたい」と言っている。
いい言葉というのは、多くの人が「それ、わかる」と感じるものだと思う。だから、できるだけいろんな人に聞いたほうがいい。社内だけで決めるのではなく、ユーザーに聞いて、専門家と話して、パートナーとぶつけ合って。出してはフィードバックをもらって、また出す。その繰り返しの中で、少しずつ言葉が磨かれていく。
腸活の仕事をしていてよく思うのだけど、発酵って時間がかかる。すぐには目に見える変化は起きない。でも条件が整えば、ちゃんと変わっている。言葉もそれに似ていると思う。いろんな人の視点や反応が混ざり合って、時間をかけて醸成されていく。そうやって生まれた言葉のほうが、自分ごと化されやすいんじゃないかと思う。
私もその発酵の一部として、一緒に言葉を探す相手として少しでもお役に立てたらうれしい。
今週のひとりごとでした。

田口のひとりごと
ヘルスケアマーケティングの現場から
ウンログ代表田口が、商談の現場で感じたことや、うまくいった/いかなかった話しを、少しだけ言葉にしてみるコラムです。
【田口 敬 プロフィール】
ウンログ株式会社 代表取締役。
マーケティングコンサル、新規事業立上げ、Webエンジニアを経験し、2012年にウンログアプリを個人開発しリリース。2013年にウンログ株式会社を設立。ユーザー起点のたのしくわかりやすいUI/UX開発と確かな腸活情報発信にこだわり120万DLを突破。現在まで300社以上の食品メーカーの腸活マーケティングを支援。


